<元社長遺体>栃木の井戸に遺棄、男2人を逮捕へ(毎日新聞)
鹿児島県屋久島町の元会社社長、藤山幸彦さん(当時73歳)が栃木県内の古井戸から遺体で見つかった事件で、鹿児島、栃木両県警の捜査本部は「遺体を捨てた」と供述した宇都宮市の男(47)=東京拘置所で拘置中=ら2人を27日にも死体遺棄容疑で逮捕する。
2人のうち、神奈川県の男は40代で、昨年11月、鹿児島県警が行方不明の藤山さんを連れ去ったとして、逮捕監禁容疑で逮捕。鹿児島地検が「拘置の要件を満たさない」として釈放していた。捜査関係者によると、2人の逮捕容疑は、昨年6月ごろ、藤山さんの遺体を栃木県鹿沼市の古井戸に捨てた、とされる。
これまでの調べでは、宇都宮市の男の供述に基づき、今月14日に鹿沼市の廃校跡の井戸を捜索。底からキャスター付きの旅行用カバンに入れられた藤山さんの遺体を発見した。手を縛られ、カバンにはセメントが流し込まれていたという。司法解剖したが死因は特定されていない。
宇都宮市の男は、任意の事情聴取に対し「2人で暴行し、藤山さんを連れ去った。車のトランクに入れ、島外に連れ出し、気づいたら死んでいた」と供述しているという。
藤山さんはタクシー会社の元社長。昨年5月末、2人組の男と会った後、行方が分からなくなっていた。【黒澤敬太郎、川島紘一】
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・ 政治資金監査、新制度で“商機” 税理士ら殺到でも「リスク」は…(産経新聞)
・ 元教員側が逆転敗訴=日の丸・君が代訴訟−東京高裁(時事通信)
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各種学校も無償化 高校授業料 法案審議、線引き焦点(産経新聞)
政府が今国会に提出を予定している高校授業料無償化法案の概要が28日、分かった。学校教育法では「学校」と認定されていない外国人学校を含む「各種学校」も無償化の対象としているのが特徴だ。ただ、具体的な「各種学校」の範囲は法案では明示しておらず、法案成立後に文部科学省が省令で基準を定める。政府は29日にも法案を閣議決定し、4月の施行を目指すが、法案審議では、対象校の線引きが議論になりそうだ。
法案では、無償化の対象を「高等学校等」とし、高校や中等教育学校の後期課程、特別支援学校の高等部、高等専門学校、各種学校などをその範囲とした。各種学校については「高等学校の課程に類する課程をおくものとして、文科省令で定めるもの」と定義した。
このほか、私立高校の実質無料化のために生徒に対して支給される「就学支援金」について、受給の際には都道府県知事からの「認定」が必要と定めた。
平成22年度予算案には高校無償化のための予算として3933億円が計上されている。無償化の対象となる「各種学校」として、朝鮮学校やインターナショナルスクールなどの外国人学校も含む予算規模となっている。
川端達夫文科相は昨年11月の参院文教科学委員会で、外国人学校の無償化の範囲について「修業年限、授業時間数等を中心に一定の基準を満たすものについても念頭に置いて検討したい」と答弁しただけで、具体的な判断基準は明示していない。
政府内では無償化の対象について、「『各種学校』の対象校が受給生徒に代わって支援金を受領するため、対象校の教育内容や財務の健全性も材料にすべきだ」との意見も出ている。
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<マンション協力金>不在所有者の負担認める 最高裁判決(毎日新聞)
マンションの管理組合が、部屋に住んでいない所有者だけに月2500円の協力金支払いを求められるかが争われた訴訟の上告審判決で、最高裁第3小法廷(堀籠幸男裁判長)は26日、協力金は適法と認めた。小法廷は「管理組合運営を巡って不在所有者に一定の負担を求め、居住所有者との不公平を是正しようとしたことには必要性と合理性がある」と判断した。不在所有者側の敗訴が確定した。
問題となったのは、71年から分譲された大阪市北区のマンション「中津リバーサイドコーポ」(4棟、全14階建て)。総戸数868戸のうち、約180戸は第三者に貸されたり空き室になって所有者が住んでいない。
管理組合運営の負担が居住所有者に集中していることに不満の声が上がり、04年3月の総会で不在所有者に月5000円の協力金を支払わせる規約改正を議決。一部の不在所有者との和解内容を踏まえ、07年3月に月2500円に再改正した。不在所有者のうち計12戸を所有する5人が「規約は不公平だ」などと支払いを拒み、訴訟になっていた。
小法廷は「マンションの管理組合の運営費や業務は本来、組合員全員が平等に負担すべきだ」と指摘。管理組合役員を務める居住者について「不在居住者を含む全員のためにマンションの保守管理に努め、良好な環境の維持を図っている」と認める一方、不在所有者は「役員になる義務を免れて組合活動に貢献していない。居住所有者が貢献した利益のみを享受している」と判断した。
そのうえで、不在所有者に一定の負担金を求めることに必要性と合理性を認め、「支払いを拒んでいるのは5人に過ぎず、金額も受忍すべき限度を超えない」として規約改正は有効と結論づけた。
この問題では計3件の訴訟が不在所有者側と管理組合から起こされ、2審・大阪高裁判決は1件について「月1000円の限度で協力金は有効」と認めたが、残り2件で「協力金を求める規約改正は無効」としており判断が分かれていた。【銭場裕司】
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<桜の開花予想>ウェザーマップが新規参入(毎日新聞)
民間気象会社のウェザーマップ(東京都港区)は22日、桜の開花予想を25日から始めると発表した。気象庁の標本木がある全国56地点のソメイヨシノなどの開花日や満開日を、独自の気温予測を基に予想。結果を同社ホームページ(HP)で月1回、3月以降は毎週月曜日に公表する。日付ごとの開花確率も併記するという。
桜の開花予想は、民間気象会社ウェザーニューズと財団法人日本気象協会が既に実施しており、気象庁は今春から予想を取りやめる。ウェザーマップは「2社の開花予想だけでは情報の多様性が不十分。ユーザーの選択肢を増やしたい」としている。開花予想のHPはhttp://www.weathermap.co.jp/sakura/
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「明美ちゃん基金」に寄付金30万円 住田美容専門学校(産経新聞)
学校法人東京女子文化学園の美容師養成校「住田美容専門学校」(東京都渋谷区、住田知之校長)は19日、難病の子供を支援する「明美ちゃん基金」(産経新聞社提唱)に30万円を寄付した。
今回の寄付金は、新年会費の積立金の一部。同校では、国家試験を間近に控えた学生たちに配慮し、新型や季節性インフルエンザなどへの集団感染を防ぐために、学校職員らによる新年会の規模縮小と延期を決定。積立金の余剰分を寄付することにしたという。住田校長は「病気の子供たちのために役立ててほしい」と語った。
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暴力団幹部射殺事件、殺人容疑逮捕者39人に(読売新聞)
埼玉県内で2008年に起きた住吉会系暴力団幹部射殺事件で、県警は22日、静岡市の山口組2次団体・小西一家総長、落合益幸容疑者(62)(静岡市駿河区大谷)ら3人を殺人容疑で逮捕した。
殺人容疑の共謀共同正犯として逮捕されたのは計39人で、一事件としては異例の多さとなった。
発表によると、落合容疑者らは共謀し、08年4月1日午前5時半頃、同県ふじみ野市の住吉会系暴力団事務所前の駐車場で、この暴力団の鈴木敦嗣幹部(当時35歳)を拳銃で射殺した疑い。県警は3人の認否を明らかにしていない。
事件を巡っては、組織犯罪処罰法違反(組織的殺人)で起訴された山口組系幹部らの公判について、さいたま地検が「裁判員に危害が及ぶ恐れがある」として、裁判員裁判対象事件からの除外請求を検討している。
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・ <小沢氏聴取要請>首相「必要に応じ自身で判断を」(毎日新聞)
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<都教育委>全都立高で日本史必修科目に 13年までに実施(毎日新聞)
東京都教育委員会は、すべての都立高校(全日制175校、定時制59校)で日本史を必修科目にする方針を決めた。「日本人としてのアイデンティティーをはぐくむために重要な科目」と検討を進めてきた。時期は未定だが、新学習指導要領が完全実施される13年までに実施する意向。
高校の「地理歴史」科は現在、世界史が必修科目で、日本史は地理とともに選択科目になっている。都教委によると、都立高校では半数近くの学校が学校独自の判断で日本史を必修科目にしている。06年には都と首都圏3県の教育長が文部科学省に日本史必修化を求める要望書を提出。すでに神奈川県と横浜市が必修化を決めている。
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高校の「地理歴史」科は現在、世界史が必修科目で、日本史は地理とともに選択科目になっている。都教委によると、都立高校では半数近くの学校が学校独自の判断で日本史を必修科目にしている。06年には都と首都圏3県の教育長が文部科学省に日本史必修化を求める要望書を提出。すでに神奈川県と横浜市が必修化を決めている。
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<安保50年>米軍の抑止力強調 首相談話、普天間に触れず(毎日新聞)
鳩山由紀夫首相は19日、日米安全保障条約の改定調印50周年にあたっての談話を発表した。「日米安保体制に基づく米軍の抑止力は、(日本)自らの防衛力とあいまって、引き続き大きな役割を果たしていく」と、特に米軍の抑止力の意義を強調している。また、「日米同盟を21世紀にふさわしい形で深化させるべく、米国政府と共同作業を行い、年内に成果を示したい」として、協議の結果を共同宣言などにまとめる意向も示した。
談話は50年を振り返り、「わが国が戦後今日まで、自由と民主主義を尊重し、平和を維持し、その中で経済発展を享受できたのは、日米安保体制があったからといっても過言でない」と評価。北朝鮮の核・ミサイル実験などの問題を抱える中、米軍の抑止力について、「核兵器を持たず軍事大国にならないとしているわが国が、平和と安全を確保していく上で大きな役割を果たす」と指摘した。
また、在日米軍の存在についても「地域の諸国に大きな安心をもたらすことにより、(アジア太平洋地域全体の)公共財としての役割を今後とも果たしていく」と意義を強調した。懸案となっている米軍普天間飛行場(沖縄県)の移設問題には触れなかった。
日米安保条約は60年1月19日、改定の調印が行われた。両国は昨年秋の首脳会談で、改定50周年に合わせ同盟関係の深化に向けた政府間協議を行うことで合意しており、オバマ米大統領も声明を発表する予定。日米外務・防衛担当閣僚も共同声明を発表する。【山田夢留】
◇首相談話の全文
19日に発表された、日米安保条約改定50周年にあたっての鳩山由紀夫首相の談話の全文は次の通り。
日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約(日米安保条約)の署名50周年に当たっての内閣総理大臣の談話
日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約(日米安全保障条約)は、1960年1月19日にワシントンにおいて、日米両国の代表によって署名が行われました。本日は、それから50年の節目を迎える日であります。
日米安保体制は、我が国の安全のみならず、アジア太平洋地域の安定と繁栄に大きく貢献してきました。我が国が戦後今日まで、自由と民主主義を尊重し、平和を維持し、その中で経済発展を享受できたのは、日米安保体制があったからと言っても過言ではありません。
過去半世紀の間、冷戦の終結や9・11テロ等、世界の安全保障環境は大きく変化しましたが、我が国をとりまく安全保障環境は、北朝鮮の核・ミサイル実験に見られるよう厳しいものがあります。こうした中、現在及び予見し得る将来、日米安保体制に基づく米軍の抑止力は、核兵器を持たず軍事大国にならないとしている我が国が、その平和と安全を確保していく上で、自らの防衛力と相俟(あいま)って、引き続き大きな役割を果たしていくと考えます。
また、日米安保体制は、ひとり我が国の防衛のみならず、アジア太平洋地域全体の平和と繁栄にも引き続き不可欠であると言えます。依然として不安定、不確実な要素が存在する安全保障環境の下、日米安保条約に基づく米軍のプレゼンスは、地域の諸国に大きな安心をもたらすことにより、いわば公共財としての役割を今後とも果たしていくと考えます。
こうした認識に立ち、私は50周年を記念する年に当たり、日米安保体制を中核とする日米同盟を21世紀にふさわしい形で深化させるべく、米国政府と共同作業を行い、年内に国民の皆様にその成果を示したいと考えます。
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談話は50年を振り返り、「わが国が戦後今日まで、自由と民主主義を尊重し、平和を維持し、その中で経済発展を享受できたのは、日米安保体制があったからといっても過言でない」と評価。北朝鮮の核・ミサイル実験などの問題を抱える中、米軍の抑止力について、「核兵器を持たず軍事大国にならないとしているわが国が、平和と安全を確保していく上で大きな役割を果たす」と指摘した。
また、在日米軍の存在についても「地域の諸国に大きな安心をもたらすことにより、(アジア太平洋地域全体の)公共財としての役割を今後とも果たしていく」と意義を強調した。懸案となっている米軍普天間飛行場(沖縄県)の移設問題には触れなかった。
日米安保条約は60年1月19日、改定の調印が行われた。両国は昨年秋の首脳会談で、改定50周年に合わせ同盟関係の深化に向けた政府間協議を行うことで合意しており、オバマ米大統領も声明を発表する予定。日米外務・防衛担当閣僚も共同声明を発表する。【山田夢留】
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19日に発表された、日米安保条約改定50周年にあたっての鳩山由紀夫首相の談話の全文は次の通り。
日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約(日米安保条約)の署名50周年に当たっての内閣総理大臣の談話
日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約(日米安全保障条約)は、1960年1月19日にワシントンにおいて、日米両国の代表によって署名が行われました。本日は、それから50年の節目を迎える日であります。
日米安保体制は、我が国の安全のみならず、アジア太平洋地域の安定と繁栄に大きく貢献してきました。我が国が戦後今日まで、自由と民主主義を尊重し、平和を維持し、その中で経済発展を享受できたのは、日米安保体制があったからと言っても過言ではありません。
過去半世紀の間、冷戦の終結や9・11テロ等、世界の安全保障環境は大きく変化しましたが、我が国をとりまく安全保障環境は、北朝鮮の核・ミサイル実験に見られるよう厳しいものがあります。こうした中、現在及び予見し得る将来、日米安保体制に基づく米軍の抑止力は、核兵器を持たず軍事大国にならないとしている我が国が、その平和と安全を確保していく上で、自らの防衛力と相俟(あいま)って、引き続き大きな役割を果たしていくと考えます。
また、日米安保体制は、ひとり我が国の防衛のみならず、アジア太平洋地域全体の平和と繁栄にも引き続き不可欠であると言えます。依然として不安定、不確実な要素が存在する安全保障環境の下、日米安保条約に基づく米軍のプレゼンスは、地域の諸国に大きな安心をもたらすことにより、いわば公共財としての役割を今後とも果たしていくと考えます。
こうした認識に立ち、私は50周年を記念する年に当たり、日米安保体制を中核とする日米同盟を21世紀にふさわしい形で深化させるべく、米国政府と共同作業を行い、年内に国民の皆様にその成果を示したいと考えます。
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高橋洋一の民主党ウォッチ 民主「新成長戦略」のお粗末 産業政策なんかもうやめろ(J-CASTニュース)
「日本的産業政策はもはや過去の遺物だ」
昨2009年末、大掃除をしていたら、表記の論考を発見した。「Economics Today summer1988」という学術的な季刊誌の中にあったものだ。筆者は私である。今から20年以上昔の自分を見ているようで懐かしかった。
この論考は、政府の白書などでも取り上げられて多少話題になったと記憶しているが、当時の産業構造改善政策について、いろいろな産業のデータを定量的に分析して、もはや意味がないということを論じている。今でも同じであるが、当時も役人が実名で論考を書くのははばかれたが、結論は「産業政策は意味ない」である。この意見は今でも変わらない。
■国の助成うけるとその産業はダメになる
09年12月30日、民主党政権がやっと「新成長戦略」(名目で年平均3%、実質2%)を公表した。正月のテレビ番組で、自民党のある政治家は、民主党の成長戦略は自民党のものと内容が同じであると言っていた。そうだろう、元ネタは経産省の役人からであるから、民主党も自民党も内容は似たり寄ったりで、ポイントは、具体的な成長産業をターゲットに掲げ、その産業に各種の助成措置を行う「日本的産業政策」である。今回の民主党の成長戦略では、環境、エネルギー、健康、観光などが成長産業としてターゲットになっているが、官僚に依存した政策では、民主党の脱官僚依存の看板が泣く。
なぜ民主党も自民党も政治家は成長戦略が好きなのか。簡単な成長戦略があれば、世界で貧困問題はとっくに解決しているだろう。つまり、成長戦略は容易に解が見つけられない難問なので、政治家が夢を与えられるからだ。そこに官僚が産業政策という名目でつけいり、政治家のほうにも選挙対策として個別産業・企業とパイプを持ちたいという心境が垣間見える。
成長産業を見いだすという産業政策は、日本独特のモノだ。そんなによければ、とっくに世界中で流行しているはずだ。もちろん、環境、医療などの分野で、国の環境政策、医療政策までを否定するものでないが、国を挙げての産業育成には問題がある。国がある特定産業をターゲットにすると、結果として産業がダメになるというネガティブな話は多い。
日本の戦後成長の歴史を見ても、通産省(現経産省)がターゲットにした産業は、石油産業、航空機、宇宙産業などことごとく失敗している。逆に、通産省の産業政策に従わなかった自動車などは、世界との競争の荒波にもまれながら、日本のリーディング産業に成長してきている。竹内弘高教授(一橋大学)の研究でも、日本の20の成功産業についても政府の役割は皆無だったようだ。要するに、国に産業の将来を見極める眼力があればいいのだが、現実にはそんな魔法はない。必要なのは、国による選別ではなく、競争にもまれることだ。
■競争政策や規制緩和は大いに結構
それでは、政府は一切関与できないかというと、そうでもない。例えば、競争政策や規制緩和は大いに結構だ。それに知的所有権などの法整備もいいだろう。最近、新型インフル騒動でわかったことは、ワクチンの副作用について、日本で訴訟リスクが大きいことだ。諸外国では、無過失補償といって、故意でなければメーカーに責任はなく公的補償で対応するのが普通である。未知の分野について個別企業に過度なリスクを負わせたら、社会的に適正な生産もできなくなるから、こういった分野での法整備は必要だ。
それらの上に、特定産業に対する産業政策を重ねることは不必要だ。冒頭に掲げた論考を書いた約20年前、産業政策の議論の時に、産業政策の正当性を主張する役人に対して、どうしても産業政策をやりたいなら自らがプレーヤーとなって行えばいい、といったことがある。そのときに彼らの反応から、産業政策は役人の失業対策になるかもしれないが、国民のための政策ではないと思った。また、地方政府が、自らプレーヤーとなって特定地域・特定産業の産業政策を行うのは、地域主権の観点からギリギリありえるだろう。
民主党は、地方分権も脱官僚依存も主張している。そうであれば、国で産業政策をするという発想でなく、もし必要なら、国主導でなく地方へ国の役所を移管して行うとか、国の役人を辞め天下りではなく民間創業者として頑張れ、といってはどうだろうか。国で産業政策を行えば、また、天下り団体がたくさん作られるのが関の山でないか。
++ 高橋洋一プロフィール
高橋洋一(たかはし よういち) 元内閣参事官、現「政策工房」会長
1955年生まれ。80年に大蔵省に入省、2006年からは内閣参事官も務めた。07年、いわゆる「埋蔵金」を指摘し注目された。08年に退官。著書に「さらば財務省!」、「日本は財政危機ではない!」、「恐慌は日本の大チャンス」(いずれも講談社)など。
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昨2009年末、大掃除をしていたら、表記の論考を発見した。「Economics Today summer1988」という学術的な季刊誌の中にあったものだ。筆者は私である。今から20年以上昔の自分を見ているようで懐かしかった。
この論考は、政府の白書などでも取り上げられて多少話題になったと記憶しているが、当時の産業構造改善政策について、いろいろな産業のデータを定量的に分析して、もはや意味がないということを論じている。今でも同じであるが、当時も役人が実名で論考を書くのははばかれたが、結論は「産業政策は意味ない」である。この意見は今でも変わらない。
■国の助成うけるとその産業はダメになる
09年12月30日、民主党政権がやっと「新成長戦略」(名目で年平均3%、実質2%)を公表した。正月のテレビ番組で、自民党のある政治家は、民主党の成長戦略は自民党のものと内容が同じであると言っていた。そうだろう、元ネタは経産省の役人からであるから、民主党も自民党も内容は似たり寄ったりで、ポイントは、具体的な成長産業をターゲットに掲げ、その産業に各種の助成措置を行う「日本的産業政策」である。今回の民主党の成長戦略では、環境、エネルギー、健康、観光などが成長産業としてターゲットになっているが、官僚に依存した政策では、民主党の脱官僚依存の看板が泣く。
なぜ民主党も自民党も政治家は成長戦略が好きなのか。簡単な成長戦略があれば、世界で貧困問題はとっくに解決しているだろう。つまり、成長戦略は容易に解が見つけられない難問なので、政治家が夢を与えられるからだ。そこに官僚が産業政策という名目でつけいり、政治家のほうにも選挙対策として個別産業・企業とパイプを持ちたいという心境が垣間見える。
成長産業を見いだすという産業政策は、日本独特のモノだ。そんなによければ、とっくに世界中で流行しているはずだ。もちろん、環境、医療などの分野で、国の環境政策、医療政策までを否定するものでないが、国を挙げての産業育成には問題がある。国がある特定産業をターゲットにすると、結果として産業がダメになるというネガティブな話は多い。
日本の戦後成長の歴史を見ても、通産省(現経産省)がターゲットにした産業は、石油産業、航空機、宇宙産業などことごとく失敗している。逆に、通産省の産業政策に従わなかった自動車などは、世界との競争の荒波にもまれながら、日本のリーディング産業に成長してきている。竹内弘高教授(一橋大学)の研究でも、日本の20の成功産業についても政府の役割は皆無だったようだ。要するに、国に産業の将来を見極める眼力があればいいのだが、現実にはそんな魔法はない。必要なのは、国による選別ではなく、競争にもまれることだ。
■競争政策や規制緩和は大いに結構
それでは、政府は一切関与できないかというと、そうでもない。例えば、競争政策や規制緩和は大いに結構だ。それに知的所有権などの法整備もいいだろう。最近、新型インフル騒動でわかったことは、ワクチンの副作用について、日本で訴訟リスクが大きいことだ。諸外国では、無過失補償といって、故意でなければメーカーに責任はなく公的補償で対応するのが普通である。未知の分野について個別企業に過度なリスクを負わせたら、社会的に適正な生産もできなくなるから、こういった分野での法整備は必要だ。
それらの上に、特定産業に対する産業政策を重ねることは不必要だ。冒頭に掲げた論考を書いた約20年前、産業政策の議論の時に、産業政策の正当性を主張する役人に対して、どうしても産業政策をやりたいなら自らがプレーヤーとなって行えばいい、といったことがある。そのときに彼らの反応から、産業政策は役人の失業対策になるかもしれないが、国民のための政策ではないと思った。また、地方政府が、自らプレーヤーとなって特定地域・特定産業の産業政策を行うのは、地域主権の観点からギリギリありえるだろう。
民主党は、地方分権も脱官僚依存も主張している。そうであれば、国で産業政策をするという発想でなく、もし必要なら、国主導でなく地方へ国の役所を移管して行うとか、国の役人を辞め天下りではなく民間創業者として頑張れ、といってはどうだろうか。国で産業政策を行えば、また、天下り団体がたくさん作られるのが関の山でないか。
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高橋洋一(たかはし よういち) 元内閣参事官、現「政策工房」会長
1955年生まれ。80年に大蔵省に入省、2006年からは内閣参事官も務めた。07年、いわゆる「埋蔵金」を指摘し注目された。08年に退官。著書に「さらば財務省!」、「日本は財政危機ではない!」、「恐慌は日本の大チャンス」(いずれも講談社)など。
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「政治とカネ」で与野党激突へ=第174通常国会召集(時事通信)
第174通常国会が18日召集された。会期は6月16日までの150日間。民主党の小沢一郎幹事長の資金管理団体による土地購入をめぐり、元秘書の石川知裕衆院議員らが逮捕されたことなどを受け、「政治とカネ」の問題が焦点となる。野党は、検察との全面対決を宣言した小沢氏を支持する鳩山由紀夫首相を徹底追及する構え。参院選を夏に控え、冒頭から与野党が激突する展開となるのは必至だ。
首相は18日午前、首相公邸前で記者団に対し、「現下の経済状況を考えれば、国民の命を守る政治を何としても行いたい。(2009年度)第2次補正予算、来年度予算をできるだけ早く仕上げて、国民の命を守っている姿を連立政権としてしっかりと示す」と述べ、両予算案の早期成立に全力を挙げる考えを強調した。
一方、自民党の谷垣禎一総裁は両院議員総会で「首相と与党幹事長の周辺で次々と起訴、逮捕が起こるのは異様な事態だ。私自身も先頭に立ち、国民のために徹底的に戦う」と述べた。
参院は18日午前、衆院は同日昼にそれぞれ本会議を開き、議席を指定するほか、特別委員会の設置を議決。午後には天皇陛下をお迎えしての開会式に続いて、衆参両院本会議で菅直人財務相による財政演説が行われる。これに対する各党代表質問は衆院は19日、参院は20日に実施される見通し。
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一方、自民党の谷垣禎一総裁は両院議員総会で「首相と与党幹事長の周辺で次々と起訴、逮捕が起こるのは異様な事態だ。私自身も先頭に立ち、国民のために徹底的に戦う」と述べた。
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